【2025年版完全保存版】フィリピン駐在生活コスト徹底ガイド ─ BGC1LDK家賃・食費・通信・医療・治安・文化ギャップを丸裸に
この記事でわかること
- BGC 75㎡1LDK家賃と初期費用の内訳
- Grab食費とローカル飯のリアルコスト
- “世界最遅なのに世界最高値”通信費の真相
- 医療費と海外旅行保険を使った事故体験談
- 渋滞・治安・文化ギャップの対処法
Contents
- 1 【2025年版完全保存版】フィリピン駐在生活コスト徹底ガイド ─ BGC1LDK家賃・食費・通信・医療・治安・文化ギャップを丸裸に
- 1.1 0. この記事を書いた理由
- 1.2 1. フィリピン首都圏(NCR)とBGCの概況
- 1.3 2. 住居コスト:75㎡1LDK=月100,000ペソ+一括払い
- 1.4 3. 食事コスト:Grab依存で“日本の1.5〜2倍”を覚悟
- 1.5 4. 通信コスト:世界最遅・世界最高値の実態
- 1.6 5. 生活費総額シミュレーション(家賃除く)
- 1.7 6. 医療事情:事故体験談と保険必須論
- 1.8 7. 渋滞と通勤:20分が帰宅時2時間の悪夢
- 1.9 8. 給与・マネー事情:貯金するなら送金工夫も
- 1.10 9. 社会・文化ギャップ:日本の常識は通用しない
- 1.11 10. 建物・サービス品質:“細部に魂は宿らない”を実感
- 1.12 11. 空港・フライト・マイル活用
- 1.13 12. 月次生活費シミュレーション(家賃含む)
- 1.14 13. まとめ:“割り切り”と“準備”が鍵
0. この記事を書いた理由
マニラ首都圏でも“最先端”と呼ばれるBonifacio Global City(BGC)に赴任して5年。ブログやSNSでは「BGCはドバイみたい」「タガイタイは涼しい」といった表面的な話が多く、家賃や生活費、医療費、渋滞ストレスをまとめた日本語記事がほとんどありません。
そこで本稿では、75㎡1LDK(家賃100,000ペソ)に住み、“Grab依存・運転手付き通勤・保険で100%カバー”という典型的な日本人駐在員の視点から、良い面も悪い面も隠さずシェアします。
1. フィリピン首都圏(NCR)とBGCの概況

NCRの人口は1,370万人(2024年統計局)、平均年齢は25.7歳と若年層が多い地域です。中心地であるマニラ市内は歴史地区や下町が広がり、そのすぐ隣に外交・金融官庁街であるマカティがあり、さらに“新都心”として開発が進むBGCがあります。
- 外資系本社やIT企業のオフィスが集積
- 高級コンドミニアム、商業施設、レストランが立ち並ぶ
- 一歩裏通りに入ると庶民的な屋台、混沌とした状況が混在
NCRの生活指標
- 最低賃金:Metro Manila 610ペソ/日(2025年1月改定)
- CPI(消費者物価指数):NCR 118(2018=100)
- 年間平均気温:27.6℃、雨季は6月〜10月
2. 住居コスト:75㎡1LDK=月100,000ペソ+一括払い
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
月額家賃 | 100,000ペソ | BGC High-Streetエリア、75㎡ 1LDK 中層階 |
HOA管理費 | 5,500ペソ | プール、ジム、24時間セキュリティなど共用施設費用 |
インターネット | 3,500ペソ | PLDT Fiber 400 Mbps(実効80〜120 Mbps程度) |
年一括払い割引 | ▲8% | 交渉次第で家主が応じるケースあり |
デポジット | 家賃2か月分 | 退去時に損耗費用を差し引いて返金される(ただし返金は約50%) |
仲介手数料 | 家賃1か月分 | 契約更新の度に再請求される場合もある |
支払い条件 | 先日付小切手1枚 | 外国人賃貸契約は1年分PDC(Post-Dated Check)提出が慣習 |
落とし穴:途中解約時は返金が基本的に不可。帰任時期変更が想定される人は「1年+6か月オプション」「解約ペナルティ軽減」などの条項交渉を事前に行うこと。
周辺相場比較(2025年Q1)
・Makati 1LDK 60㎡:75,000〜90,000ペソ/月
・Ortigas Center 1LDK 70㎡:70,000ペソ前後/月
・Arca South(開発中)1LDK 60㎡:50,000ペソ前後/月
3. 食事コスト:Grab依存で“日本の1.5〜2倍”を覚悟

3-1. Grab配達の実費目安
- 牛丼(並盛):550ペソ(約1,500円)
- とんこつラーメン:850ペソ(約2,300円)
- ケンタッキー8ピース:1,050ペソ(約2,800円)
- ピザ(Mサイズ1枚):1,200ペソ(約3,200円)
理由:店舗価格+配達手数料+デリバリー料が乗るため、日本で同じ料理を頼むより1.5〜2倍の価格になる。
3-2. ローカル食堂(カリンデリア)は安いが…
- ライス+おかず1品:150〜200ペソ(約400〜550円)
- 食堂の食材は大量調理向けで味付けが濃く、健康維持には不向き
- 現地スタッフは白米持参→おかずだけ購入で1食70ペソに抑える節約術
3-3. 自炊は非効率?
- 鶏胸肉1kg=320ペソ、牛サーロイン1kg=1,200ペソ
- 野菜や調味料はスーパーでも日本より高価
- 自炊に必要な移動・調理時間を仕事や副業に充てたほうが稼げるため、駐在員の約8割は自炊せずGrab依存
3-4. 日本食材と通販
- 三越 BGC Fresh:納豆3パック240ペソ、木綿豆腐120ペソ
- Japan Home:調味料や菓子、冷凍食品を扱う日本食スーパー
- Lazada/Shopee:日用品から家電まで現地通販で揃うが送料と納期に注意
4. 通信コスト:世界最遅・世界最高値の実態
プラン | 月額 | 名目速度 | 実効速度 | 備考 |
---|---|---|---|---|
PLDT Fiber 400 | 3,499ペソ | 400 Mbps | 80–120 Mbps | 週1回程度計画停電あり、UPS必須 |
Globe AtHome 200 | 2,799ペソ | 200 Mbps | 50–80 Mbps | 引っ越しのたびに再契約必要 |
GOMO 50GBプリペイド | 1,299ペソ | LTE | 5–15 Mbps | 有効期間30日 |
停電・断線リスク:年2〜3回、30分〜数時間の計画停電あり。UPS(無停電電源)とモバイル回線の併用が必須。
Ookla(2024Q4)によると、フィリピンの固定回線平均速度は52 Mbpsで月額45 USD相当。ASEAN圏でワーストクラスのコスパ。
5. 生活費総額シミュレーション(家賃除く)
項目 | 月額(ペソ) | 円換算(@0.27) | 備考 |
---|---|---|---|
食費 | 35,000 | 95,000円 | Grab中心 |
通信 | 7,000 | 19,000円 | インターネット+携帯 |
光熱 | 6,500 | 17,500円 | エアコン24h稼働で急増 |
運転手 | 40,000 | 108,000円 | 月給25k–35k+SSS+ガソリン別 |
娯楽・交際 | 12,000 | 32,000円 | バー、ゴルフ、イベント |
健康・医療予備 | 5,000 | 13,500円 | 翌月への繰越用 |
合計 | 105,500 | 284,000円 | 家賃別で月約284,000円 |
補足:駐在員パッケージで家賃・運転手・保険を会社負担にできれば、手取り20万円でも貯蓄可能。ただしすべて自腹の場合、日本より生活費は高い。
6. 医療事情:事故体験談と保険必須論
6-1. 事故体験談
- 事故発生:SLEX高速で左折トラックに追突され中央分離帯衝突
- 初動対応:救急車でSt. Luke’s Medical Center BGCへ搬送
- 費用内訳:救急搬送1,500ペソ+CTスキャン15,000ペソ+入院1泊48,000ペソ=計63,000ペソ(約17万円)
6-2. 海外旅行保険活用
- 推奨保険:三井住友海上 TOP UP 50万USD(医療キャッシュレス対応あり)
- キャッシュレス利用の手順:事前登録→病院到着時に保険証提示→保険会社が直接支払い
- 日本語対応病院:
・Makati Medical Center
・The Medical City Ortigas
・Asian Hospital & Medical Center (Alabang)
教訓:①保険会社に必ず病院名とキャッシュレス対応可否を確認、②領収書(Official Receipt)は英語表記を受領すること。
7. 渋滞と通勤:20分が帰宅時2時間の悪夢

EDSA平均速度:朝7時台18 km/h、夕方17時台12 km/h(MMDA 2024年調査)。渋滞ピークは平日18〜20時、金曜夜はさらに+30–40分。
7-1. 渋滞対策
- 早朝シフト(06:00出社→15:00退社)
- 19:00退社まで会社で残業 or 在宅切替
- 金曜夜の外出回避(ショッピングや外食は昼に済ませる)
7-2. ドライバー事情
- 月給相場:25,000–35,000ペソ + SSS(社会保険)
- 雇用形態:直接契約 or 転職斡旋エージェント経由
- 車両管理:ガソリン代は別途負担。メンテナンス費用も駐在員が概ね負担。
私はドライバーを正社員化し、総務関連の雑務も兼務することでコスパを最適化。
8. 給与・マネー事情:貯金するなら送金工夫も
職位 | 月給(ペソ) | 円換算(@0.27) |
---|---|---|
エントリースタッフ | 13,000 | 35,000円 |
シニアエンジニア | 45,000 | 120,000円 |
マネージャー | 180,000 | 486,000円 |
給与支払い頻度:月2回(15日、30日)。“前借り文化”を防ぐため企業側が分割支給を採用。
- 送金コスト:Wise(旧TransferWise) > BDO Remit > 銀行TT の順で手数料1%以下と低コスパ。
- 金融商品:
• GCash GSave 金利 4.25%/年(ペソ建て)
• ドル定期は利回り低下中、ペソリスクを理解したうえで利用。
9. 社会・文化ギャップ:日本の常識は通用しない
- プライドが高い:指摘は“I might be wrong, but…”で始めるほうが角が立ちにくい。
- クラブメンタリティ:成果を強調すると嫉妬の対象に。
- 貸した金は返ってこない:周囲との付き合いは“与える側=優位”の意識。
- 夜間の一人歩きは避ける:BGCでも深夜2時以降は一部地区で治安リスクあり。
10. 建物・サービス品質:“細部に魂は宿らない”を実感
- 施工クオリティ:ネジが緩い、配線むき出し、壁紙のズレ。
- 水回りトラブル:シャワーの水圧が弱い、排水が詰まりやすい。
- サービスの時間管理:レストランの注文が30分来ないことも。催促は3分後、再催促は5分後をルール化。
- 清掃水準:共用廊下のゴミ回収が日中1回のみ、客用トイレの紙が切れることも。
ストレス軽減のコツ:日本基準を捨て、“ここはこういうもの”と割り切る。
11. 空港・フライト・マイル活用
- NAIA Terminal 3 (T3):ANA/NH、Cebu Pacific、PAL
• 喫煙所:屋外 Bay14 のみ。雨季はやや濡れる。 - NAIA Terminal 1 (T1):JAL/JQ
• Sakura Lounge (JGC限定) に屋内喫煙室あり。
• 一般客も“Pay-per-use Smoking Lounge”で800ペソ支払い可能。
11-1. マイル修行メモ
- **MNL-HND 往復**:エコノミー Light 座席 → 有償アップグレード 23,000円
- **UA特典**:UAマイル利用でプレミアアクセス席アップグレード可 → 年間 PP 獲得 約61,000
BGCからマニラ空港までは車で約40分(非渋滞時)。渋滞時は1時間半を見積もる。
12. 月次生活費シミュレーション(家賃含む)
項目 | ペソ | 円換算 |
---|---|---|
家賃 + 管理費 | 105,500 | 285,000円 |
食費 | 35,000 | 95,000円 |
通信 | 7,000 | 19,000円 |
光熱 | 6,500 | 17,500円 |
運転手 | 40,000 | 108,000円 |
健康・医療予備 | 5,000 | 13,500円 |
娯楽・交際 | 12,000 | 32,000円 |
総計 | 205,000 | 570,000円 |
駐在員パッケージで家賃・運転手・保険が会社負担なら、手取り20万円でも貯蓄可能。
13. まとめ:“割り切り”と“準備”が鍵
- 時間を買う投資:運転手、Grab、通信はケチらない。
- 保険は最大限:キャッシュレス対応の有無、上限額を必ず事前確認。
- 日本品質を捨てる:建物やサービスの細部へこだわらず、“これがフィリピンクオリティ”と割り切る。
これらを実行すれば、数字で見るより快適な駐在生活が実現できます。
疑問や要望があればコメントで教えてください!